請求書の基礎知識でも解説した通り、事業者間でお金のやり取りが発生する場合、その内容を文書で残すために請求書が必要になります。逆に言うと、請求書がなければ商品やサービスを販売しても回収することができないため非常に重要な書類ということになります。
それでは、請求書はどのように書けば良いのでしょう?今回は、請求書の書き方について具体的な項目を中心に解説していきます。
請求書にこれだけは記載しておきたい11項目
取引先がスムーズに支払処理を進められるように、請求書には以下の項目を記載するようにしましょう。
見出し
この書類が請求書ということが一目でわかるよう、見出しには「請求書」と記載しましょう。掛売り請求書の場合は、「xx年xx月分請求書」とします。
宛名
宛名書きは送り先によって書き方が変わりますので注意が必要です。
- 会社宛て
基本的には(株)という風に略語は使わず、"株式会社"と記載しましょう。また、会社名の後には「御中」と続けて記載します。
例) 株式会社ラクーンコマース御中
- 担当部署宛て
部署名の後に「御中」と続けて記載します。
例) 株式会社ラクーンコマース 管理部御中
- 担当者宛て
社名、部署名の次に改行して"氏名"様と記載します。
例)
株式会社ラクーンコマース
管理部
COREC 太郎様
請求書番号
請求書を管理するための番号です。他の請求書と重複しないよう、1通につき1つの番号を割り振りましょう。万一、発行済みの請求書に誤りがあり再発行が必要になった場合は元の請求書番号に枝番号を付番しておくと間違いがなくなります。
請求書の発行日
通常、企業では締日を設定しているため、日付によって処理する月が変わることがあります。ですから、請求日は相手先の請求締日を記載する場合が多いようです。事前に取引先へ確認しておくと良いでしょう。
請求元情報
請求書の発行元である自社の会社名、所在地、連絡先、担当者名などを記載します。連絡先や担当者名を記載していない請求書も見かけますが、問合せ時にスムーズなので記載しておく方が良いでしょう。
請求印
請求書には正式な書類であることを示すために角印を用いることが一般的です。
請求金額
税込みの合計額を記載します。先方の担当者が処理しやすいよう、少し目立つようにフォントを大きくしたり太字にすると良いでしょう。
また、源泉徴収を引いた金額を請求する場合は、源泉徴収を除いた振込金額を記載すると親切です。
振込先
金融機関名、支店名、口座名義、口座種別、口座番号を明記しましょう。
振込手数料
トラブル防止のため、振込手数料はどちらが負担することになるのかを明記しておきましょう。一般的には支払側が負担することが多いと思われますが、必ずしもそう決まっているわけではないので、取り引き前に話し合いで決め、契約書等にもどちらの負担にするのかをしっかり書いておくと良いでしょう。
支払期限
支払期限は必ず明記しましょう。契約時に取り決めを行っていない場合、支払い側の規定に則ることが多いため、事前に把握し取り決めしておくことが大切です。
適用(請求明細)
詳細は自由ですが、見積書や納品書に合わせた書き方をしておくと取引先が照会しやすくて親切です。一般的には以下の項目を記載しておけば問題ないでしょう。
- 発注日
- 数量・単位
- 単価
- 合計
- 小計
- 消費税
- 合計(総額)
- 備考
まとめ
冒頭に記載した通り、請求書がないと支払いを受け取ることができません。健全な取引関係を維持するためにもお金のやり取りには間違いがないようにしたいものですね。その元となるのが請求書ですから、正確で分かりやすい請求書を作ることは信頼関係を作ることとも言えそうです。ぜひ相手の業務を配慮した請求書を作ってビジネスを成長させていってください。