発注書はいつまで保存しておいたら良いのか?
1.そもそも発注書って保存しておかないといけないの?
発注書は取引に関する契約書として扱われ、取引の際の証拠となる性格を持った帳票の1つです。そのため、「会社法」と「法人税法」という法律が定める期間は保存しておく義務が発生します。保存期間は法人、個人で定められた期間が異なるので確認しておきましょう。
2.法人における発注書の保存期間
法律では、発注書を含む書類の保存期間は7年間とされています。平成16年度の法改正以前は会社規模によって5年という場合もありましたが、法改正後は一律7年間となりました。
3.個人事業主における発注書の保存期間
個人事業主の場合は青色申告、白色申告問わず、保存期間は5年間とされています。ただし、帳簿書類は7年間の保存義務があるなど書類によって分かれるため、すべての書類を7年間保存しておくという運用を心掛けたほうが管理はシンプルだと思います。
4.ペナルティ
発注書は取引の度に作成する書類なので日々たまっていきます。気が付けば、保管のための棚が増えていって仕事をするスペースがどんどん狭くなってくるなんてことが起こり得ます。その為、廃棄して整理したくなると思いますが、万一税務署による税務調査が行われた際に要求された期間の書類を保管していないと、商品購入の証拠書類が不十分として、最悪、法人税の追徴課税が科せられるという恐ろしい事態になることもありますので十分注意しましょう。
発注書の保存方法は二通り
1.原則は紙による保管
原則的に、発注書など保存が義務付けられている書類は紙で保管することを求められています。仮にインターネットを通じて行った取引であっても、紙に印刷して保管する必要があります。しかし、発注書を含む書類を7年分すべて紙で保管しようとすれば、膨大な量になるので大きなスペースが必要になってしまいます。
2.電子データによる保管
しかし、平成10年に施行された電子帳簿法の改正に伴い、要件を満たせばスキャンした電子データとして保存が認められるようになりました。これまでの紙による保存では、プリントアウトしてファイルに保存する手間と、そのファイルを保管する場所代がかかりましたが、スキャンした電子データで保存することでこれらを削減することができます。
電子データでの保存要件
電子データで保存するためには下記の要件を満たす必要があります。
1.真実性を確保するために必要な要件
- 電子署名とタイムスタンプ
- 解像度200dpi以上によるカラーでの保存
2.可視性を確保するための要件
- 検索機能があること
- カラーディスプレイ、カラープリンタ等があること
- 国税関係の帳簿と付け合わせができること
- システムの関連書類があること
3.税務署長の承認
電子データでの保存を行うためには、事前に税務署長の承認が必要となります。 申請書は、電子データによる保存に切り替える日の3か月前の日までに提出する必要があります。
国税庁| No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法
申請書:国税庁|電子帳簿保存法関係申請書等の様式の制定について
まとめ
電子データで保存するための要件はそれなりに大変ですが、紙で保管するための手間や家賃というコストを考えると、かなりの業務効率化や節約効果を期待できます。今後あらゆる場面でペーパーレス化の導入は進んでいくものと思えますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?